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さあ大変?便潜血検査が陽性だ!パート1

この時期は春の健康診断の結果が続々と判明し、異常結果の相談のために来院される方が多くなっています。当院に来られる方の相談で増えているのが便潜血陽性のケースです。

浜松市では大腸がん検診を公費で受けることができます
69歳以下の方が800円、70歳以上の方は全額公費負担(0円)で受診できるのです。それにも拘らず、受診者がなかなか増えないのが現状のようです。
ひとつは便を採取するという行為が面倒くさいというのもあるかもしれませんが、単に自治体の宣伝不足である気がしてなりません。

現在の日本では肺がんなどと共に大腸がんは増加の一途を辿ってきており、女性では全がん死亡の第一位、男性では第四位となっています。
年代別では40歳代から急速に罹患率が急激に増加し始めます。人口の高齢化もあって大腸がんは必然的に増加する状況なのです。そんな中で安価で効率的に大腸がんの人を抽出する方法が便潜血検査なのです。

便潜血陽性とは便の中に血液が混じっていることを意味し、口から肛門までのどこからか出血があることを意味します。
よく腸からの出血が原因といわれますが、胃潰瘍からの出血でも便潜血は陽性となります。必ずしも腸からの出血とは限らない訳ですが、健診目的の対象者全員に大腸内視鏡検査をやることは不可能であるため、一次的に篩いにかける目的で行われています。

便潜血検査は通常2回法で行われます。便の表面を専用のキットで引搔くようにして採取してもらいます。
採取法は決して難しいことはありません。2回の検査のどちらかで陽性になった場合に精密検査をお受け頂く形になります。

便に血が混じっているかどうかを見るだけで、大腸がんがあるかないかが本当に判るの?と素朴な疑問をお持ちの方もいるでしょう。
それは扱く当然の疑問と思います。

そもそも、がんの組織というのはちょっとしたことで出血しやすく、便潜血が陽性になりやすいのは事実です。
しかし、大腸がん以外にも出血をすることがある腸の病気は勿論あります。

例えば、
①痔
②腸炎
③憩室
④良性のポリープ(腺腫)
⑤大腸以外からの出血(胃十二指腸潰瘍・小腸潰瘍等)
などがあります。

便潜血検査が陽性という段階ではがんとこれらの病気を鑑別することは不可能です。
つまり、便潜血陽性=大腸がんということではないのです。

具体的には、
便潜血陽性の方から大腸がんが見つかる割合は多くても500人に1人程度と言われています。
この数字は大腸がんに限定した数字であり、腺腫といわれる良性の腫瘍がみつかる割合まで含めると20~30倍は高い数値になることでしょう。
腺腫はその一部が癌化することが知られており、内視鏡で発見した場合には切除することが望ましいポリープです。
腺腫を内視鏡的に切除することで大腸がん発症リスクが下がることも報告されています。

便潜血陽性は決して大腸がんを宣告されることとイコールではありません。
陽性になったからといって決して怖がることはないのです。
陽性であっても内視鏡検査をして、ポリープを切除してしまうことでご自身が大腸がんになる確率が下がることになるのです。
 

皆さん!この際、思い切って大腸がん検診を受けみては如何でしょう。

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