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医療コラム

これからの胃がん検診を考えてみましょう!

皆さんの胃腸はカイチョー♪(快調)ですか?
今回は胃がん検診の現状と将来について考えます。

胃がんを語る上で重要な存在、それはピロリ菌です。
ピロリ菌は幼小児期に食べ物や水などと共に口から入って胃内にすみつくとされており、大人になってから感染することはほとんどありません。すみついたピロリ菌は長年にわたり胃粘膜に炎症を引き起こし、胃がんを発生させることが分かっています。
感染した人すべてが胃がんになるわけではありませんが、日本の胃がんの99%以上はピロリ菌関連で、現在感染している人(現感染者)、または過去に感染していた人(既感染者)以外からがんが見つかるのは極めて稀です。

そんなピロリ菌も衛生状態の改善とともに感染者数は減少の一途となっており、大人の8割位が感染していたとされる50年前と比較して、現在の感染率は40~50代で2~3割程度です。
このようにピロリ菌に感染したことがなく胃がん発生リスクがほどんどない人(未感染者)が増えている中で、ピロリ菌というリスク因子を考慮せず一律に検診を行うことは、あまりに非効率ではないかと思うのです。

ピロリ菌除去歴だけではなく、胃X線や内視鏡で胃粘膜の状態をみれば、現感染・既感染なのか未感染なのかほぼ分かります。
一度検診を受けた後、現感染・既感染者は検診を継続し、未感染者は検診間隔を大きく開ける(5年毎?10年毎?)といったリスクに応じた検診方法を導入する時期に来ていると私は考えています。さらに、今から30年後には70~80歳代の人以外に胃がんが見つかることはなくなり、50年後には胃がんそのものが日本からほぼなくなることでしょう。
その頃には胃がん検診は過去の遺物となっているはずです。

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